
川棚町では、『みんなの「やりたい!」を応援するまち』というコンセプトのもと、「やってみたい!」の熱意を街全体で面白がり、支え合えるような応援の連鎖を作るまちづくりを目指しています。
その大きな柱として運営している『暮らしのヒトタナ市』は、「棚一つ分くらいの小商い」をコンセプトにした、挑戦応援型のマルシェイベントです。
この記事では、そんな挑戦の場で自分の「好き」を小商いとして形にしてくれた出展者の方々のストーリーを、アフター取材を通してお届けします。
今回は、佐賀県嬉野市からガラス細工の商品を携えて参加してくださった、「murasaki.工房」の紫原よしみさんに、初めての挑戦の様子をお伺いしました。
「好き」と「道具」が揃ったとき、挑戦の扉が開いた

Q:紫原さんは、普段はどのようなお仕事をされているんですか?
「今は『uminoわ』という施設で接客の仕事をしています。それ以前もホテルなどで仕事をしていたので、接客は元々好きなんです。でも、それとは別に、昔からものづくり自体が大好きで。実は、チョコペンでプレートに絵を描いたり、黒板アートを描いたり、いろんな表現を試すのが趣味だったんです」
Q:今回出展された「ガラス細工」は、何がきっかけで始められたんですか?
「以前働いていたホテルの退職祝いで、なぜか工芸用のルーター(ガラスを削る道具)を頂いたんです(笑)。私がハンドメイド好きだということを知って選んでくれた粋なプレゼントだったんですが、それがきっかけで『これを使ってガラスに模様を彫れないかな?』と思い立って、そこから独学で始めました」
Q:そこから「出展してみよう」と思った決め手は何だったのでしょう?
「川棚で活動されているレザークラフト作家・Kazu Gee Factoryの中里さんの教室に通っていて、『今度こんなイベントがあるけど出展してみない?』と紹介してもらったのがきっかけです。出展料も控えめで、ここなら私のような初心者でも気軽に始められそうだな、と直感的に思えたんです。川棚には派手な印象はなかったけれど、実際に訪れてみると生活の一部として馴染みやすい町ですてきだなと感じました」
5歳の男の子がくれた、忘れられない「自信」

Q:初めての出展に向けて、どんな準備をされましたか?
「これまでは誰かにあげたり、自分のために作ったりするだけだったので、『売るための数』を商品として作るのは初めての経験でした。10個くらい作るだけでも大変でしたが、不思議と楽しかったんです。目標があるだけで、今までダラダラ作っていた趣味が、一気に自分事の『挑戦』に変わる感覚がありました」

Q:当日、実際に自分の作品を並べてみていかがでしたか?
「想像以上に賑やかでびっくりしました! 初出店の私のブースは、空き箱に布を被せただけのような展示だったのですが(笑) 特に、一番最初に買ってくれた5歳くらいの男の子が、私の作品を『これがいい!』と言って選んでくれて……。あの時の感動は、今も忘れられません。最終的には半分以上の作品が誰かの手に渡り、本当に驚きました」
川棚の「応援する空気」に包まれて

Q:出展してみて、紫原さんの中で変化はありましたか?
「対面で自分の作品を誰かに届ける楽しさを知りました。ネットで売るのもいいけれど、やっぱり目の前でお客さんとお話ししながら手に取ってもらうのは、何物にも代えがたいエネルギーをもらえます。仕事が終わった後の合間時間に少しずつしか作れませんが、これからもこの『表現』を続けていきたい、もっと出展してみたいという欲が湧いてきました」
Q:これから挑戦を迷っている人に、メッセージをお願いします。
「ヒトタナ市の方々は、みんな本当に優しいです。自分の『好き』を全面的に出せる、肩の力を抜いて参加できる場だと思います。アドバイスなんておこがましいけれど、まずは気楽に始めてみてほしい。川棚には、その挑戦を面白がってくれる人がたくさんいます」
取材・文 平野 蒼
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こんにちは。さかのまち企画「ヒトタナと暮らし」編集部の平野蒼です。
川棚町で暮らしたい、何かを始めたい──そんな想いのそばに立つ伴走者として。
(一社)さかのまち企画では、移住や小商いの一歩を支える相談窓口を運営しています🏠
『みんなの「やりたい!」を応援するまち』というコンセプトをもとに、思いを持つ誰もが気軽に挑戦できる町を目指して、情報発信やイベント企画などに取り組んでいます。




